20091009

金木犀が、あの、台風の日から香り始めた。
最初は湿った草と土の匂いに混じって、ほんのわずかに、やっと判別出来るくらいだったのに。

金木犀の匂いは、僕にとって特別なもの。

あの木の下に眠っている、もう一人のノア。
金木犀の風は、
あのこと私のいる場所を一つにする。
あのこと私をもう一度繋いでくれる優しいエーテル。

僕はそう思っている。